北米放射線学会参加&受賞報告1

投稿者: 黒川遼 / 投稿日: 2021年12月06日
第107回北米放射線学会(RSNA)は2021年11月28日〜12月2日にChicagoのMcCormick Placeとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。コロナ渦でほぼすべての学会・研究会が中止に追い込まれたりオンライン開催へ移行するのを目の当たりにしてきたこともあり、RSNAが2年ぶりに現地でも開催されることは大変に感慨深いものがありました。

ミシガンからRSNAに参加

 私達(註:黒川遼・黒川真理子ご夫妻)の住むMichigan州Ann Arborから会場までは車で約4時間の距離であり、自家用車で猫を連れて会場近くのHilton Chicagoに泊まり、初日から最終日の朝まで参加しました。COVID-19対策として、現地参加者は事前に指定のアプリで2度のワクチン接種を証明する必要があり、会場内ではマスク着用が義務付けられ、またCOVID-19の検査も可能な体制が整っていました。

写真1: CLEAR®の画面
写真2: 会場の柱に掲載されたCOVID-19防疫のガイドライン

今年のRSNAの風景

 主催者発表では今回の現地参加者の人数は21,300名。これは前回現地開催されたRSNA2019の47,011名と比べて約55%の減少です。急性腹症のセッションなど大会場で立ち見が出るほどのセッションもありましたが、全体的に人口密度は低く、ポスター会場は日中も割と閑散としていました。Education Exhibitではデジタルではなく実物(紙)のポスター掲示を選択することも可能なのですが、今年は各セクションに最大でも2-3枚までの実物ポスターしかなく、Musculoskeletalのセクションでは私の展示が唯一の実物ポスターでした。企業ブースもRSNA2019の740社から495社へと減少していましたが、AI showcaseへの関心は引き続き高いと感じました。

写真3: 3日目の午前10時頃のポスター会場です
写真4: AI showcaseのある南側の企業ブース前

Fun Runは健在

 伝統的な催しであるFun Run(なんと去年もvirtual開催されていました)も3日目の朝6時半からSouth Grand Parkで開催されました。気温は約4℃でした。手袋と走り慣れた靴は必須 です。しかしながら私は手袋と走る用の短パンと上から羽織るものを忘れてしまったので、普段着の長ズボンと、配布された長袖シャツの上にコートを着て、手は袖の中に引っ込めたまま、同じラボの馬場亮先生(University of Michigan/東京慈恵会医科大学)と一緒に走りました。右手にはレイクサイドの朝日、左手には高層ホテル・オフィスビル群、という冬のChicagoの美しい景色は、多国籍の数百名と平日の早朝に走るという稀有な経験と併せて、忘れがたいものがあります。来年も必ず参加したいと思います。

写真5: FUN RUN ROUTE

お待ちかねのEducation Exhibit Award

 4日目にはExhibitの受賞発表がありました。この発表をワクワクドキドキしながら待つのもRSNAの醍醐味です。RSNA2019では、Magna Cum Laudeを1演題ずつ発表するセッションがありましたが、今年は予定されていませんでした。夕食が祝勝会になるのか、(またしても)残念会になるのか…と思っていたら、朝8時からのセッションに向かうエスカレーターに乗っている時に【RSNA 2021––Education Exhibit Award】と題するメールが立て続けに3通届き、3つの演題でCertificate of Meritを受賞したことを知りました。すぐ後に、共同演者としてお手伝いしていた馬場亮先生とLeanne Lin先生(UM Fellow: 彼女の機器展示はDigital Presentation System (DPS)には載っていません)の2演題がいずれもMagna Cum Laude、妻の黒川真理子先生の演題がCum Laude、太田義明先生(京都府立医科大学/UM Fellow)の演題がCertificate of Meritを受賞したという連絡が届きました。同じラボから立て続けに受賞の報せが届き、感激しました。

写真6: 私が筆頭で発表した6演題です

 以上、RSNA2021の参加・受賞報告をさせていただきました。演題の準備においてご協力・ご指導いただいた阿部修先生、森谷聡男先生をはじめとする諸先生方に深く感謝いたします。また、一緒にがんばってきた仲間たちがそれぞれに成果をあげることができ、とても嬉しく思います。私と妻は筆頭・共同演者を含めて7演題(Magna Cum Laude 2, Cum Laude 1, Certificate of Merit 4)で受賞することができました。来年のRSNA2022で、さらに質の高い発表ができるようにがんばりたいと思います。