北米放射線学会参加&受賞報告2

投稿者: 黒川真理子 / 投稿日: 2021年12月11日
第107回北米放射線学会(RSNA)は2021年11月28日〜12月2日にChicagoのMcCormick Placeとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。留学中のミシガン大学からのRSNA参加&受賞レポート第2弾です。

2021年RSNA参加体験記

 ミシガン大学に留学中の黒川真理子と申します。第107回北米放射線科学会(RSNA 2021)は現地開催とオンラインとのハイブリッド形式で開催され、コロナ禍のため日本から参加するのは大変難しい状況でしたが、留学中のため運良く現地参加できました。今年のThemeは”Redefining Radiology”であり、コロナ禍で変化した業務や教育を再考すると言った意味が込められていたようです。

 一昨年のRSNA (現地開催)に参加した時よりも会場内の人の密度は低く、以前は人集りのできていたRSNAモニュメントの前で記念撮影する人も疎らでした(写真1、2)。

写真1:企業ブースの近くにあるRSNAモニュメント
写真2:ディスカバリーシアター前

 しかし全員マスク着用のもとで、満席や立ち見がでるほどのセッションや、賑わいを見せる参加型のセッションもあり、オンライン開催に慣れてしまった身としてはとても感慨深かったです(写真3、4)。

写真3:満席となった腹部のセッション
写真4:骨軟部のセッション

 日常診療に直結する素晴らしい講義がたくさんありました。4月30日まで教育講演やポスターの閲覧が可能なので、知識のブラッシュアップに有効だと思います。特に私のような診断専門医取得前の放射線科の先生には参加することをお薦めします。Chicagoは街並みが大変美しく、美食の街でもあるので様々な楽しみ方ができると思います(図5)。

写真5: 車の中から遠くに見えるシカゴの街並み

3演題がRadioGraphics invitationに選出

 今年はEducation exhibitsが全部で1512演題ありました。その中で大会4日目の朝にMagna Cum Laudeに24演題、Cum Laudeに52演題、Certificate of Meritに236演題が選出され、閉会後の翌週月曜日に発表されたRadioGraphicsへのinvitationには142演題が選出されました。

 RadioGraphicsへのinvitationは受賞演題を選出するグループとは異なるグループが選出するため、受賞が重なることもあります。私は筆頭演者として2演題を投稿し、1演題がCum Laudeを受賞し、2演題ともにRadioGraphicsへのinvitationに選ばれるという幸運に恵まれました。

写真6:Radiographicsへのinvitationを頂いた3演題

 それぞれ頭頸部領域の真菌感染症と、発生学に基づく診断学をテーマとした演題であり、普段読影する際に曖昧となる知識を整理する気持ちでスライドを作成しました。既に3つの演題でCertificate of Meritを受賞していた夫の黒川遼先生も別の演題 (脳腫瘍のWHO2021分類)でRadioGraphics invitationに選出され、同じラボの日本人チームからは合計11個のEducation Exhibitでの受賞となり、嬉しかったです。

 よりたくさんの放射線科医にとって役立ち、読影という形で一人でも多くの人を救えるよう来年以降も奮励努力したいと思います。ご指導いただいた阿部修先生、ミシガン大学の森谷聡男先生をはじめとしてご協力下さったすべての先生方に感謝申し上げます。