膵管画像研究グループ

膵炎や高膵アミラーゼ血症発症における膵管の形状異型の臨床的意義を、MRIを用いて検討しています。

研究の背景

膵炎の1-2割が未だに原因の同定されない特発性膵炎とされています。一方で膵臓の外分泌機構である膵管の形態が、膵炎や高膵アミラーゼ血症発生に関連することが臨床経験から疑われてきました。しかしその真の臨床的意義はこれまで明らかになってはいませんでした。膵管の形状評価はこれまでERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)による診断が主流でしたが、昨今ではMRCP(磁器共鳴胆管膵管造影)を用いた非侵襲的な手法が普及しています。これを基に種々の膵管の形状異型に関し、その臨床意義を網羅的に検討することが可能となりました。

これまでの活動と研究成果

膵管癒合不全は最も頻度の高い膵管の形状異型ですが、膵炎発症における臨床的意義はこれまで明らかではありませんでした。MRCPを用い、健常群における生体下での頻度を初めて解明するとともに、膵管癒合不全が再発性膵炎の発症リスクになることを証明しました。

また、膵頭部蛇行主膵管や、ansa pancreatica などの膵管の形態異常についても、原因不明の膵炎や高膵アミラーゼ血症の発生に、強く関連していることを発見・証明しました。

正常の主膵管 (A) と膵頭部の蛇行主膵管 (B, C, D)。膵頭部で主膵管が蛇行する正常偏位(meandering main pancreatic duct と命名))が、特発性再発性膵炎の発症と強い関連があることを発見しました。 (Gonoi W, Akai H, Hagiwara K, et al. PLoS One. 2012;7(5):e37652.)

関連する研究題目

メンバー

受賞歴

業績 (2017年3月現在)

英文原著論文

英文症例報告

総説

書籍等出版物

博士論文

講演・学会発表