CIRCUS

FAQ

CADについて

Q1CADとは何ですか?

CADはComputer-Assisted Detection/Diagnosis(コンピュータ支援検出/診断)の略です。CADには2つの意味があり、1つはコンピュータ上で画像解析を行って病変を自動的に検出(detection)し、その位置を医師に提示することで医師の見落としを減らすことを意味します。もう1つは病変の良悪性鑑別など、診断(diagnosis)を支援する情報をコンピュータが提供することで医師の主観による診断のバラツキを減らすことです。 これらの分類を明確にするため前者をCADe、後者をCADxと呼ぶことがあります。

Q2CADを使用した読影はどのように行われますか?

CADを使用した読影は大きく分類して以下の2種類があります。

  • CAD処理結果を参照しながら読影する (concurrent reading)
  • 通常読影の後にCAD処理結果を参照して画像を再度確認する (second reading)

いずれの場合も医師が最終的な判断を行います。 それぞれ利点と欠点があり、対象とする疾患やCADの性能などによってどちらが適しているかは異なります。フィードバック入力を前提としたCIRCUS CSの利用においては、後者を原則的に使用します。

CIRCUS CSの設置・使用

Q3CIRCUS CSを設置することで既設のPACSシステムに影響を与えますか?

研究開発段階にあるCIRCUS CSのこれまでの設計指針として、既存のPACSシステムへの影響を最小限にとどめることを重視しています。よって、現在のところCIRCUS CSはDICOM画像の受信機能(Storage SCP)のみ有しているため、処理対象画像は画像診断装置もしくはPACSより転送します。画像診断装置から直接転送した場合は、PACSシステムに影響を与えません。
CIRCUS CSはWindows OS上で動作するため、ウィルス対策ソフトウェアの導入やWindows update等のセキュリティ対策は必ず行ってください(詳細は所属施設の医療情報担当者にお問い合わせください)。

Q4CIRCUS CSで処理した結果をPACSへ転送することは可能ですか?

これまでのCIRCUS CSの設計指針に従い、現在のところ未対応ですが、DICOM Structure report形式による結果提示機能は開発予定です。

Q5CIRCUS CSではCADソフトウェア(プラグイン)の自動実行は可能ですか?

CIRCUS CSは手作業でプラグインを実行できるほか、外部プログラムよりCIRCUS CSの各種機能を制御するためのWeb APIを有しています。これを用いると、転送済み画像の枚数を確認したり、転送済みシリーズに対して任意のプラグインの実行を開始したりすることが可能です。通信には基本的なHTTPを用いるため、C++やJava、JavaScriptなどを含む最近の言語で、CIRCUS CSを制御することが可能です。これまでの設計指針に基づく理由により、現在のところDICOM画像が正常に転送されたかどうかを確認する機能(Storage commitment)は実装されていません。

Q6CIRCUS CSで処理した結果に対する評価(フィードバック)は必須ですか?

実装したプラグインを使用し、結果を閲覧するだけであれば、フィードバック入力は不要です。病変検出プラグインでは評価を行うことで、装置や撮像方法の変化に対するソフトウェアの最適化だけでなく、各ユーザの読影傾向の把握が可能になります。

Q7CIRCUS CSだけで読影することは可能ですか?

CIRCUS CS上でDICOM画像を閲覧する簡易的なビューア機能を有しています。病変候補の前後のスライス画像をマウスホイールを用いてページングして確認することや、ウィンドウ幅・レベルを切り替えて表示することが可能です。

現時点ではあくまで簡易的な機能ですので、CIRCUS CSでは通常読影はPACS端末を使用することを想定しています。

Q8ソフトウェア開発のために元画像をダウンロードする機能はありますか?

CIRCUS CSではDICOMシリーズをボリュームデータに変換したもの、ならびに個人情報を削除したDICOMタグのダンプファイル(テキストファイル)のダウンロード機能が実装されており、ユーザ権限によっては使用可能です。ボリュームデータはmhd/raw形式対応のソフトウェアで表示可能です。
ダウンロードしたデータ等は所属施設の倫理委員会で承認された範囲内で使用してください。

Q9プラグインの処理結果のダウンロード機能はありますか?

プラグインの処理結果を1つのファイルとしてダウンロードする機能は、現在開発中です。

プラグイン関連

Q10プラグインはどこで入手できますか?

プラグインは原則的にCIRCUSシステムを導入した各々の施設(研究グループ)で開発します。プラグイン開発のためのツールキット(Visual C++ 2010以降用)は無償で配布しています。
東大放射線科開発のプラグインについては当面、共同研究施設のみへの提供としています。

Q11プラグイン開発に必要な言語について教えてください

プラグイン開発には、CAD本体処理を行うCADプラグインの開発と、処理結果を表示し、フィードバックを取得するウェブインターフェース部分との2種類があります。

ツールキットを使用する場合、CADプラグインはVisual C++コンパイラおよびC/C++言語で開発します。但し、managed C++, C++/CLIへは未対応です。

結果表示/評価インターフェイス部分は、CIRCUS CSの提供するビルトインの結果表示機能を用いることが可能なほか、初歩的なHTMLの知識を用いてテンプレートによるカスタマイズが可能です。より詳細に結果表示/評価インターフェイス部分の動作変更をしたい場合、CSS、JavaScript、PHP(クラス継承)を用いて、ほぼ自由に結果表示画面を構築することができます。