Ryo Kurokawa, Akira Baba, Mariko Kurokawa, Emile S Pinarbasi, Naohiro Makise, Yoshiaki Ota, John Kim, Ashok Srinivasan, Toshio Moritani. Neuroimaging features of diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant: A case series and systematic review. J Neuroimaging. 2022 Jan;32(1):17-27. doi: 10.1111/jon.12939
ひとこと
我々がJournal of Neuroimaging (JON)に報告した研究「Neuroimaging features of diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant: A case series and systematic review」が、2021年1月～2022年12月の2年間で被引用回数の多い論文に認定され、JON誌の出版社であるWILEYから認定証が授与されました。
本研究は中枢神経系腫瘍のWHO分類2021（WHO CNS5）に新規収載された脳腫瘍であるDiffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutantについて、留学先のミシガン大学の3症例と文献例の56症例を合わせた59症例の臨床・病理・画像的特徴をまとめたものです。
この腫瘍は小児型びまん性gliomaのhigh-grade groupに分類されていますが、年齢中央値は19歳で小児から高齢者まで幅広い年齢に生じることや、組織学的にCNS WHO grade 3, 4のgliomaやPNETなど多彩な形態を示しうること、軟髄膜や上衣領域に接する分布を呈しやすいことなどが改めて明らかになりました。また、画像で境界不明瞭な腫瘍の方が境界明瞭な腫瘍よりも生命予後が不良であることも判明しました。
文献例の病理学的特徴をまとめるにあたり、東大医学部アメフト部時代の同期でもある東大病理部の牧瀬尚大先生（現・千葉県がんセンター臨床病理部 医長）に多大なサポートをいただきました。共著者の先生方に改めて感謝申し上げます。