放射線診断

各種画像診断のハード・ソフトの進歩を先取りし、診断能向上・適応拡大・最適化などの臨床面と、病態生理解明や生理学的解析など基礎面と、両面から人体の形態と機能に迫ることを目指しています。

神経放射線領域

非造影MR angiographyの手法の開発や撮像方法最適化に関する基礎的検討や臨床応用、voxel-base法を用いた横断的および縦断的脳形態と脳機能解析、拡散テンソル神経路抽出ソフトウエア開発および臨床応用に取り組んでいます。

胸部(肺・心臓)領域

大学病院の特性と最新のCT・MRIを活かし、医療機器メーカーとの積極的な共同研究により低被曝・高画質を達成する新しい撮像法・画像再構成法の臨床応用に向けた研究を行っています。なかでも心臓領域では、胸部単純写真と同等の放射線量での小児心臓CT撮影、心臓の病態生理学を考慮した新しい同期理論や、従来の心臓CTでは活かしきれていない多時相データの新たな領域への活用といった、先進的な研究を進めています。

腹部領域

MRCP等のMR hydrography、肝特異性MR造影剤の撮像方法最適化と診断能向上や画像病理対比、大腸癌肝転移に対する集学的治療法( 詳しくはこちら)、膵炎や高膵アミラーゼ血症発症における膵管形状異型の意義( 詳しくはこちら)などについて、多角的な研究を行っています。

死亡時画像診断 (Ai)

死亡時画像診断には、死因を推定する手段として、大きな期待が寄せられていますが、画像の解釈手法は多くの臓器や疾患でいまだ確立していません。当院では、2009年4月から放射線医学教室と病理学教室が協同して死亡時画像診断専用のCTを設置し、病理解剖を予定された症例全例に対し、解剖直前に死後CTを撮像しています。臨床経過-生前CT-死後CT-病理解剖の4者の詳細な対比を行い、得られた情報を臨床に還元しています。

インターベンショナル・ラジオロジー (IVR)

日本有数の症例数を施行している肝細胞癌経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法(TACE)に関する多施設共同研究や、フラットパネル検出器CTの臨床応用、原発性アルドステロン症や腫瘍原性骨軟化症の静脈サンプリング診断、腎機能低下患者や造影剤アレルギー患者に対する血管系IVR適応拡大、顔面四肢の血管奇形・血管腫に対する経皮的及び経カテーテル的な集学的治療の手法の確立など、臨床に密着した研究を中心に行っています。